『海辺のカフカ』

  • 2017.11.14 Tuesday
  • 00:40

*

村上春樹の小説を、

 

読んでいるときは面白くて、引き込まれて、

 

「上手だなぁ、すごいなぁ」と思ったり、にやっとしたり、しているんですが

 

読み終わって、レビューを書くのはけっこう苦痛です。

 

だってもう人によってあまりにも感じることが違うはずで

 

私がピンポイントで「ここ!」について書いても

 

他の人は興味がないことだろうと思うからです。

 

 

でも一応、読んだしるしに書いておきます

 

(ちなみに、「何かのしるしのように」という表現が本文に3箇所あったと思います。それで私も「しるし」という言葉をつい使ってしまう。ハルキワールドの中毒性よ)。

 

 

村上春樹さん流の、並行世界を同時進行させながら

 

最後にすべてが収束する物語。

 

ちなみに私は、長年ストーリーを勘違いしていて

 

主人公の15歳の少年・田村カフカ君が、60代の男性・ナカタさんに導かれ、四国で成長する物語だと思っていたんですが

 

この2人は実際に会うことはなく、

 

それぞれが、それぞれのやるべきことを、それぞれ人の手を借りながらまっとうしていました。

 

あまりに現実的じゃないところもありますけど、

 

別に現実的な細部を読みたいわけじゃない

 

多分、背景はどうであれ、「心のリアル」を求めて私達は読むのです。

 

そして「まっとう」な登場人物を見て安心したいのではないかな。

 

 

この本の初版は2002年で、もう15年も前ですね

 

当時はどんな時代だったんだろう。

 

私は

 

「自分は虚ろな存在なんじゃないか。自分は何のために生きているんだろう?」

 

という(当時の)現代人の不安に、ひとつの答えを示したかった小説なんじゃないかと思います。

 

主人公カフカ君、ナカタさん、佐伯さん、星野君、

 

誰もが、

 

生きがいという生きがいもなく、ただ生きなくてはいけないから生きている。

 

それが

 

彼らにまつわるひとつの物語が終わったとき

 

みんな、虚ろな存在ではなくなっているのです。

 

見た目に何かが変わったわけじゃない、

 

でも、確かに彼らはむなしく生きる存在ではなくなった(あるいは思い残すことなく死んでいった)。

 

その様子に、晴れ晴れとした気持ちになりました。

 

 

もし今、自分はむなしい存在なんじゃないかと悩んでいる人がいるならば・・・

 

この小説のようなドラマティックな展開はなかなかないだろうけど

 

きっと、あなたにもあなたの宿命(あるいは呪いのようなもの)があり

 

まともに向き合うことでしか、それは越えられないので

 

向き合って乗り越えると決心して、行動して

 

親切な味方を見つけて、乗り越えてください。

 

多分、世界の至る所にメッセージはあるのです。

 

 

 

 

 

○○○○○
エサレン(R)マッサージ、アロマセラピー
タロットリーディングの
【MENU】【講座】

ご予約・お問い合わせは【こちら】から

『海辺のカフカ』・上

  • 2017.11.01 Wednesday
  • 00:12

*

今さら、今さらながら『海辺のカフカ』です。

 

まだ上巻しか読んでいないので、途中の備忘録です。

 

2ないし3つの、パラレルワールドを描いて、最後に物語を収拾させるというのは村上春樹の小説で何回か見かけましたが

 

この本は特にミステリー仕立てのように感じます。

 

下巻では、おそらくナカタさんと、少年カフカ君が四国の高松かどこかで出会って

 

上巻の謎が解けるんでしょうね。楽しみです。

 

 

とはいっても、下巻を読まなくてもいいような

 

いつ本を置いても良い気もします。

 

悪い意味ではなくて、

 

どの章にもだいたい、本質的なことが書かれているからです。

 

 

『ねじまき鳥クロニクル』『1Q84』もそうですが

 

おぞましい暴力が、淡々と書かれる場面があって

 

おそらく、作者は、人間の営みや感情を

 

多重構造で正確に描写していくことを

 

小説でやっているんだと思います。

 

人間には色んな側面がある。

 

暴力的な部分もあるし、理由のない衝動がある。

 

でも、そうであっても

 

たとえば間違った正義のおしつけや

 

暴力が人の心を破壊すること

 

そういうことに明確にNOと表現しているのだ、と思いたいです。

 

結局のところ、佐伯さんの幼なじみの恋人を殺してしまったのも、そういった連中なんだ。想像力を欠いた狭量さ、非寛容さ。ひとり歩きするテーゼ、空疎な用語、簒奪(さんだつ)された理想、硬直したシステム。僕にとってほんとうに怖いのはそういうものだ。僕はそいういうものを心から恐れ憎む。・・・・・・

 

想像力を欠いた狭量さや非寛容さは寄生虫と同じなんだ。宿主を変え、かたちを変えてどこまでもつづく。

 

 

 

■お知らせ■

月・水・木曜の夜に男性のお客様のご予約も承ります。

JR尼崎駅徒歩1分のサロンで受けていただけます。よろしくお願い致します。

 

 

○○○○○
エサレン(R)マッサージ、アロマセラピー
タロットリーディングの
【MENU】【講座】

ご予約・お問い合わせは【こちら】から

『職業としての小説家』・2

  • 2016.01.07 Thursday
  • 00:20
*

個人メモ的な記事になっていてすみませんが、続きです。


河合隼雄先生とのお話も、とても興味深かったです。

村上春樹さんでも、こういうこと思ったりするんだなぁと。

 

我々(注:河合隼雄先生と、村上春樹さん)は何を共有していたか?ひとことで言えば、おそらく物語というコンセプトだったと思います。物語というのはつまり人の魂の奥底にあるものです。人の魂の奥底にあるべきものです。それは魂のいちばん深いところにあるからこそ、人と人とを根元でつなぎ合わせられるものなのです。僕は小説を書くことによって、日常的にその場所に降りていくことになります。河合隼雄先生は臨床家としてクライアントさんと向き合うことによって、日常的にそこに降りていくことになります。あるいは降りていかなくてはなりません。河合先生と僕とはたぶんそのことを「臨床的に」理解し合っていた―そういう気がするんです。…

僕がそういう共感を抱くことができた相手は、それまで河合隼雄先生以外には一人もいなかったし、実を言えば今でも一人もいません。


初めて会ったときのエピソードも興味深く、

河合隼雄先生は、無口で暗い感じがして、目がなんとなくどろんとしていて、尋常の人の目じゃないと

村上春樹さんは感じられたそうです。

が、翌日には、すべては一変して、先生は快活で上機嫌で、顔つきもがらりと明るくなっておられたそうです。

 
それで僕にも「ああ、昨日はこの人は意識的に、自分を受動態勢に置いていたんだな」とわかったわけです。おそらく自分を殺してというか、自分を無に近づけて、相手の「ありよう」を少しでも自然に、いわばテキストとして、あるがままに吸い込もうとしていたんだなと。


河合隼雄先生といえば、にこにこ明るく、優しい印象しかないので

こういうお話を聞けるのは、「へぇー」と思って、うれしいです。



ちなみにタロットや、夢、などなども

「人の魂の奥底にある物語」

を、そこまで降りて行って観るツール(メディア?)といえますよね。

次回、

「そういう場所に降りていく人のための心得」

を書きます。






○ ○ ○ ○ ○

エサレン(R)マッサージ、アロマ、リフレクソロジー、
タロットリーディングの【MENU】 
【各種講座】

ご予約、お問い合わせは 【こちら】 から 

『職業としての小説家』

  • 2016.01.06 Wednesday
  • 01:08
*

で、少し遅ればせながら『職業としての小説家』レビューです。

刊行当時、いち早く読んだ身近な方々の評価が良かったのと

装丁がかっこよかったので即買い

(ちなみに表紙の写真がええなぁ…と思っていたら荒木経惟さんでした)。

第一〜六回がMONKEYという雑誌の連載で、どのように小説家になったのか、小説をどうやって書いているか、など。

第七〜十一回が書き下ろしで、個人的な、内面的な部分、

第十二回は河合隼雄先生について、講演をされた内容です。


村上春樹さんの、小説は好きじゃないけどエッセイは好きという方も多いと思うんですが、

これはユーモアあふれるエッセイではなくて、わりとガチに

小説について、ご自身の思いについて

わかりやすく語られた、という印象です。

といっても、小説を書くことや、淡々と努力を続けられている姿勢なんかは

今までの著書からもわかりますし、おっ、とびっくりしたり、がっかりしたり、することはなかったです。

私なんかは、ジャズバーの経営から、『風の歌を聴け』のデビューから、最新刊から、翻訳、海外出版、と

一貫して健全な努力を続けていらっしゃるプロセスを見て、

素直にすごいなぁと、あらためて思いました。

あと、読んでいて、言葉は穏やかですが、相当、嫌な目に遭ってこられたんだろうなぁ…ということがうかがえます。

こういうの、想像すると本当にゲンナリしますが、それでも、

良い読者に恵まれていたということ、

読者の方との精神的な結びつきを実感できる、

嫌々小説を書いたことはない、

というような言葉を見ると、

村上春樹さんには、元気で、もっと書いていただきたいなーと思う読者としてはほっとします。

個人的には1980年代後半のバブル経済期に日本を出て行かれた話がすごく好き。

そういう感覚―「健全な野心」という言葉がありましたが―に従って、実際に行動できるかどうか、

エピソードのすべてに共通しているのは

「自分の感覚を信じて、リスクを背負って行動してきた結果、こうなりました」

ということかもしれません。




最近、ブログ長過ぎだよね・・・

と思っていまして、切り上げて次回に続きます。





○ ○ ○ ○ ○

エサレン(R)マッサージ、アロマ、リフレクソロジー、
タロットリーディングの【MENU】 
【各種講座】

ご予約、お問い合わせは 【こちら】 から 

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2019 >>

Lara SOIL〜 阪急夙川〜阪神/JR芦屋〜阪神西宮〜英語、妊娠中の方、男性も承ります〜

エサレンボディワークとアロマセラピーをしています。ご自身の心と身体の声を聴いてください。

タロットカードはあなたが誤解していることを教えてくれ、未来をより良くするものです。

Twitter

selected entries

categories

archives

recommend

recommend

recommend

recommend

砂漠のわが家
砂漠のわが家 (JUGEMレビュー »)
美奈子 アルケトビ

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM