『そして、バトンは渡された』

  • 2019.08.10 Saturday
  • 21:12

*

2019年の本屋大賞の本だそうです。

 

さらさらと読み終えました。

 

主人公の優子は、実の父親、再婚した継母、

 

その二人が離婚して、継母が再婚した継父、

 

そこから連れ出されて、新しい夫である継父

 

全部で「私には父が3人、母が2人いる」という境遇で育ちました

 

(最後は継父と2人暮らし)。

 

3回くらい名字が変わっています。

 

そして、どの親にもとても愛情をかけてもらいました。

 

どのお父さんも、お母さんも(実の母親だけは出てきませんが)、正直で善良な人で、みんな仕事ができて

 

血のつながりのない優子のことを大事に育てます。

 

優子は、そんな自分の境遇を、そういうものだと受け容れているようで

 

特別な葛藤もなく、淡々と、それぞれの家族関係を続けています。

 

というお話。

 

 

現実の社会では、実の子供や、再婚相手の子供を虐待するニュースを見聞きし、やるせない暗い気持ちになるので

 

その気持ちを中和する頓服のようなお話でした。

 

実際にこんな環境で育ったら、ややこしそうだし、

 

細かいトラブルなどしょっちゅう起こるんじゃないかって思いますが

 

でも、

 

大人のひとりひとりが、子供を、

 

自分なりに大切にしよう、と思って頑張る姿に心が温かくなって

 

そんなふうに、みんなが自分なりに人に優しくしようとしたら

 

優子が幸せに暮らしているように、そこには愛があって、温かい関係ができるんじゃないかと

 

そういう期待を持たせてくれるのです。

 

 

そんなのきれいごと、リアルじゃない

 

と言ってしまえるかもしれないけど

 

でも、こういう人間関係を信じたいなーと素直に思うのです。

 

そして、これからの社会では、そういう関係を「家族」と呼んでいくのかもしれないです。

 

 

話は変わりますが

 

先月、田辺聖子さんが亡くなられました。

 

その関連のネットの記事で

 

「小説はどんなふうにでも書けるけれど、『かくあらまほしい』ものを書きたいという気持ちが、心の底にあるのね」
 

という言葉を見たのですが

 

「かくあらまほしい」ものを読めるのが小説で

 

私達は現実のしんどさをいっとき忘れて、小説を読んでいるときは前向きな気持ちになるのだと思います。

 

そういうものって大事なんだなぁと、最近よく思います。

 

心が荒んだニュースであふれていても、自分の心はそうじゃないように保つことはできる。

 

この本を読んであらためてそう思いました。

 

 

 

 

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『阪急電車』

  • 2018.09.03 Monday
  • 00:11

*

読んだのは半年以上前なんですが、

 

阪急電車が好きすぎて

 

「おぉ?」

 

と思うところが少々あって、今さらながらのレビューです。

 

ちなみに単行本を読んだので

 

文庫本の児玉清さんの解説は未読です。読みたい。

 

 

さて恥ずかしながら、有川浩さんを男性だと思っていて

 

読んでいて「???」と思ったのですぐWikiで見て

 

女性の小説家・ラノベ作家だと知ってから

 

「???」とつまづいていたのがスムーズに読めました。

 

私は「男性作家のエンターテイメント短編」と思いこんでいて

 

それだと読めなくて

 

「女性作家のラノベ小説」とわかったら読めたのは

 

私の頭が固いというか

 

前提条件って重要だなぁと思いました。

 

たとえば

 

『11枚のとらんぷ』というミステリー小説を

 

トランプっていうから国際政治の話かと思いこんで読んだら

 

「???」ってなりますよね。

 

 

そして、ラノベを多分ほとんど読んだことのない私は

 

ある意味で「これがラノベだ」というのが少しわかりました。

 

無理が通っていいし、

 

ありえなくてもいい。

 

・・・と書きながら思ったんですが、

 

いいですよね。別にそれで。小説なんだから。

 

 

私は阪急電車を20年以上利用していて

 

こういう老婦人や、カップルがいるような、いないような

 

私自身は見かけたことがないですが

 

でも、阪急電車とその沿線は明るく温かいので

 

この小説が人気で映画化されたのはうれしいです。

 

今さらすぎてなんなんですが。

 

 

余談ですが、映画に出てくる教会は

 

神戸のフロインドリーブというカフェです♪

 

 

 

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『サラバ!』

  • 2018.03.15 Thursday
  • 22:10

*

最近読んだ本の感想です。

 

(注)長いです。

 

 

西加奈子さんという人気の作家さんの小説

 

イランのテヘランで生まれて、エジプトのカイロで幼少時代を過ごし、日本の大阪で育った

 

圷(あくつ)家の、家族のお話でした。

 

父、母、姉、主人公の男の子・歩。

 

西加奈子さんも、テヘラン生まれ、カイロ、大阪育ちだそうで

 

自伝的な要素も多分、いっぱいあるのだと思います。

 

 

お母さんとお姉さんが強烈な個性の持ち主で、全然共感できなくて、読み進まなくて

 

これは最後まで読めなさそう・・・と思っていたんですが

 

家族がカイロに引っ越ししたあたりから、

 

カイロの描写が生き生きとして

 

エジプトの人がとても魅力的で、そこから加速がついて読めました。

 

 

始めのほうの、幼稚園時代のクレヨンのくだりは飛ばしました。

 

確かに保育園、幼稚園時代って、こういうことやってたなぁ・・・と

 

当時のことをホームビデオで見せられているようで

 

私にとってそれは心地いいものじゃなかったんです。

 

保育園と幼稚園は楽しかったんですけどね、

 

そのときの自分を思い出すのはもういいや、という気持ちです。

 

 

それはさておき、

 

歩がエジプトで親友と出会って過ごした日々、クラスメイトと遊んだ日々、信頼できる家政婦さんとの関係、

 

これを幸せというのだよ・・・

 

という黄金色の幸せな日々は

 

読んでいてうらやましくなる完璧な少年時代でした。

 

 

損得勘定のない愛情をたっぷり受け取る

 

友人を信頼し、愛する

 

友人の家族にニコニコと受け入れられる

 

そういう素直な人間関係って

 

本当に貴重なものです。

 

子供時代の、あの不思議な時間ってなんなんでしょうねー。

 

大人になると

 

「ただ存在するだけでニコニコと受け入れてもらえる」

 

ということが少なくなります。

 

本当は、大人になっても私達はそういう存在なんですが。

 

大人に対しては年齢の分だけ付加価値を求めてしまうのかな、私も。

 

 

話がそれましたが、

 

いつか来るお別れの日。

 

歩の両親は離婚し、お母さんとお姉さんと歩は大阪で暮らし始めます。

 

大阪のクラスになじめずいじめられるお姉さん、

 

不倫するお母さん、

 

宗教にはまるお姉さん、

 

逃げ出すように大学へ進学してひとり暮らしをする歩。

 

それから歩の大学時代、フリーライター時代、仕事がなくなって落ちぶれていく時代・・・

 

が描かれます。

 

ネタバレになりますが

 

お姉さんは、小さい頃から問題児で、いじめられ、不登校になり、宗教にはまり、おかしな行動に出て、

 

そうして必死に自分らしく生きようとして、とことん傷ついた先に

 

ついに自分の幸せを見つけました。

 

一方で、子供の頃から周囲とうまくやっていくことに長け、

 

本当に自分が好きなもの、求めているものに気づかなかった歩は

 

気がつけば30歳を過ぎ、髪は薄くなり、仕事は減り、ダメ人間になっていきました。

 

ある女の子のことが、実は好きだったと

 

ずっと後になって気づいていましたが

 

「自分が本当に好きなものって?」

「自分が本当にやりたいことって?」

 

人目を気にして生きてきた歩には、自分でもわからなかったのですね。

 

 

このあたりの歩は本当に嫌なやつですが

 

実際にはあるあるでもあります。

 

仕事は減り、髪もなくなっていき、彼女はおばさんぽい(内心バカにしている)・・・

 

そんなときにポジティブな気持ちにはなかなかなれないものだと思います。

 

最後には、この状況から立ち直るんですが

 

長くなるのでここまでにしますが

 

要するにやっぱり、

 

ネガティブな状況を脱するには

 

大きく【場】を動かすこと。

 

【心】を動かすこと。

 

「ダメダメな自分」とつき合っていたら、現実はダメになるばかりです。

 

大きく場を動かして、人と会って、心を動かして

 

そのときの自分が見る未来に向かって行動するべき。であります。

 

 

なぜ著者が作家になったのか

 

そのプロセスをたどったらこの小説になった―という

 

渾身の作品だと思います。

 

 

 

 

 

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『火花』

  • 2015.08.30 Sunday
  • 00:05
又吉 直樹
文藝春秋
¥ 1,296
(2015-03-11)

 先日、又吉直樹さんの話題作を読みました。

読みながら、

久しぶりに「純文学」を読んでるなァ・・・

と思いました。

私の好みか、世の中の流れかわかりませんけど

最近は純・純文学作品が少ないような気がします。


Amazonのレビューをちらっと見ると、★1つの評価があまりに多くて

そういうのを見ると、天邪鬼の私はほめちぎりたくなるのですが

そういう私情はおいておいて

やっぱり又吉さんてすごいなぁと思いました。

だって、もっと低評価を受けるはずの受賞作なんて、多分ありますからね

これだけの反応があるっていうのが、それだけ読ませてるっていうのが、すでにすごいな〜と思います。

それは作品の評価とは別ものかもしれませんけど。

「おもしろくない」という評価も多かったけど

言っちゃってよければ、純文学ってべつにおもしろいものじゃないです。

わかりやすく楽しみたかったら、エンターテイメント小説やライトノベルなどを読むべきだし

人の内面を見るのが好きな人にとっては、こういうのが「おもしろい」という評価になるのでしょう。


と、言いながら、私、蠅川柳のくだりなど爆笑しましたが。


序盤は、漢字が多くてちょっと読みづらい・・・と思ったのですが

後半からテンポアップして、しんみりせつない情感が渦巻いてきました。

もしかするともっとエンターテイメント路線の小説だって書ける方なのかもしれないけど

ぜひこのジャンルで書いていただきたいなぁと思いました。

自分が読みたいだけです。

 

自分達が人前で何かを表現するためのオーディションなのだから、そこで自分の価値を証明出来ないうちは自らの考えを述べることは許されないという気分が全体に横たわっていたのだ。それは錯覚に過ぎないし、思考の強制もなかったのにもかかわらず。僕達は……それぞれのやり方で格闘していたのだ。


お笑い芸人、漫才師という世界は大変な世界なんだろうなぁと

想像にかたくないですが、

おもしろいことやりたいと思って人生かけて格闘する芸人さんてかっこいいなぁと思います。

これは、ずっと芸人を続けていらっしゃる又吉さんならではの視点であって

5年、10年やって辞めていった人達が、それこそ、多くいらっしゃるのでしょうけど。

 





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